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ファンコーニ症候群とは

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ファンコーニ症候群とは

ファンコーニ症候群とは、哺乳類に見られる腎近位尿細管の再吸収不全症候群です。
我々獣医師が遭遇する多くの場合はバセンジーの遺伝疾患で、正常血糖値でありながら糖尿を伴う多飲(多渇)多尿、汎アミノ酸尿、蛋白尿、そして総合ビタミン、ミネラル 、電解質及び重炭酸の尿中への喪失などが認められます。
これらの尿中への喪失は、酸塩基平衡を崩し、代謝性アシドーシス、蛋白喪失性筋委縮へと進行し、体重減少、筋肉の疼痛をともないます。
適切な処置を行わなければ、アシドーシスの悪化から腎機能がさらに障害され、多臓器不全から死に至る疾患です。

ファンコーニ症候群の原因、疫学

遺伝性
バセンジー、ノルウェイジャン エルクハウンド、シルバーのコッカスパニエル。
他にも、シェルティ・ミニチュアシュナウザーにも一部報告があるようです。
後天性
病原体説
重金属中毒 (鉛、水銀、 カドミウム、ウラニウムなど)
抗生物質副作用 (ゲンタマイシン、セファロスポリン、期限切れテトラサイクリン、シスプラチン、ストレプトゾトシン)
化学薬品 (ライソゾル、マレイン酸)
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ファンコーニ症候群 発症年齢 (遺伝性)

多くのバセンジーが3〜11歳で発症診断されていると報告されていますが、最近では1歳未満での若齢での発症報告もあります。 しかし、通常最も多く発見される3〜6歳ではすでに繁殖に供されており、ファンコーニ遺伝子を持っているとわからぬまま、繁殖に使用されてしまうために、ファンコーニ遺伝子が次世代に受け継がれてしまっています。 アメリカでは、バセンジーの約10%がこのファンコーニ遺伝子を持っていると言われています。 現在では、パセンジーに限っては、ファンコーニ遺伝子の有無をアメリカの検査機関での遺伝子検査によって知ることができるようになっており、日本からでも検査は可能です。

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ファンコーニ症候群の症状

  • 多飲多尿 ( 尿糖陽性だが正常血糖値)
  • 排尿の失敗 ( 今まで夜間に尿をしたことなかったのに間に合わなかったとか、室内でトイレを 失敗したなど)
  • 体重減少
  • 毛ヅヤが悪い ( 脱水、栄養不良による)
  • 虚弱
  • 進行時には代謝性アシドーシス

しかし、多飲多尿以外の症状がない場合もあります。 発症初期には、食欲はよく維持されており、食欲旺盛にして明らかな体重減少が認められますが、削痩というレベルではなく、多くは以前より体重が1kg前後減少しています。 脱水により被毛の状態は悪化し、パサついている印象があります。

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獣医療関係者の皆様とファンコーニ症候群に関する情報や共有を目的としているため、一般の方々への医学的なアドバイスや使用方法等を説明する目的のものではございませんのでご了承下さい。